マルセイユ- ラ・ギャルド大聖堂の守護のマリア

マルセイユ- ノートル-ダム・ド・ラ・ギャルド大聖堂の守護のマリア

(マルセイユ- サン・ヴィクトール修道院の黒マリア からの続き)


サン・ヴィクトール修道院を出て、見上げた坂道の向こうに、
Notre-Dame de la gard ノートル-ダム・ド・ラ・ギャルド大聖堂が見えました。

マルセイユ駅には11時半に戻らなければいけないし、
以前も来たことがあるし、見学する予定ではなかったのですが、
「またマルセイユに来れた事に感謝して、御礼参りに詣でよう!」と、言い出した
夫の提案で行くことにしました。



坂道2
Le 12 Juillet 2010*Basilique Notre-Dame de la garde * Photos by RESONANCE



地図もなく道順も適当ながら、大聖堂を目指しました。
広い駐車場前に出ると、人と車で混雑していました。

見上げる聖堂は巨大です。
金色に輝くマリア像が、鐘楼の頂上にそびえ立っていました。
Norte-Dame de la gardeは、「守護の聖母」 という意味。

海路からであれ、陸路からであれ、
マルセイユに到着すると、まず目に入るのが、この大聖堂です。
標高162mの山頂に建てられた大聖堂の上に置かれたマリア像は、
まさしく、マルセイユを守るように、港と街を見下ろしています。



教会外観1



現在の建築は、19世紀のローマ・ビザンチン様式ですが、
13世紀には、サン・ビクトール修道院の許可を得て建てられたという
聖母の礼拝堂があり、それを見張り(ギャルド)礼拝堂と呼んだそうです。

その後、見張り(ギャルド)の丘に要塞を建て、聖堂を拡張してゆきました。
15世紀に造られた要塞の面影が、跳ね橋に残っていました。



はね橋



聖堂の中は多色大理石が美しく、モザイクや絵画で飾られており、
正面には、黒い聖母像が祀られていました。
守護の聖母のお姿は、鐘楼頂上に金マリア、聖堂内は黒マリアでした。


聖堂内部



十字架のキリストは、どこにも見当たりませんでした。
おそらく聖母の台座の下に見受けられるパテ十字だけが印でした。

聖母に捧げられた聖堂だからとはいえ、聖書の世界では、
聖母マリアはキリストの母親でキリストより出過ぎることはなく、
ましてや、女性が神格化されて、堂々と中央に祀られているなんて驚きです。
やはり、女神信仰をもつギリシャ人が開祖であったマルセイユの歴史の由縁でしょうか?



マリア2



聖堂の椅子にひざまつき、巨大な黒い聖母像を見上げていると、


       あなたは見るべきものを見る。
       行くのではなく、導かれる。


あの声がしました。

ロカマドール、モワサック、マルセイユのサン・ヴィクトール、これで4度目です。
もう空耳も、自然現象でした。
予定になかったサン・ヴィクトール修道院で、迫力の黒い聖母像を見せられ、
この大聖堂にも導かれるようにして来たのですから。



天井画船とメノーラ



天井や壁のモザイクは見事です。
船の模型が吊るされていて、これは航海の無事を願うものだそうです。

そういえば、ロカマドールの黒マリアも囚人と船乗り、旅人たちの守護者でした。
先ほどまでいたサン・ヴィクトール修道院にも、船にまつわるお話があります。
毎年2月、シャンドールの行列がある(主奉献と聖母のお清めのろうそく祭)祝日に、
小舟の形をしたナベットと呼ばれる伝統菓子を食す習慣があります。
船の形は、最初の宣教師たちがマルセイユに船で来たことを表すそうです。
船と黒マリアの関係はとても深い・・・。

吊るされた船の模型を見ていたら、突然、祖父の顔が浮かんできました。

そうだった、おじいちゃんは船乗りだった!
ヨーロッパ航路の客船航海士で、ポルトガルかフランスでキリスト教の洗礼を受けた。
母から話を聞いた時は、どちらの国かなんて関係ないことだったけれど、
きっとフランス、マルセイユではないだろうか?
このノートル-ダム・ド・ラ・ギャルド大聖堂ではないか?
今、ハッキリと、自分にはわかるような気がしました。

船乗りと旅の守護者、黒いマリアに祖父も祈っただろうか?
ここに導いたのは祖父だったのかもしれない。
こんなに近い親族と縁があるマルセイユなのに、素通りするつもりだったなんて・・。
情報も少ない時代に、教会やマリア像が祖父の目にどう映ったのだろう?
もうとっくに天に帰った祖父を思い、深く祈りました。



天井画1

ラギャルド見晴らし



聖堂前を出て、眼下に広がるマルセイユのパノラマを楽しみました。

海が懐かしいと思うのはなぜでしょう?
わたしだけのことなのか、人類の共通感情なのかはわかりませんが。

ぼんやり妄想から目覚めると、なんと11時半!
駅に戻る時間です!思いがけず長居してしまった!
ひゃ〜っと青ざめているヒマもなく、バスか車を探しました。
徒歩で山を下る時間はない。

小走りしながら、大聖堂付属の本屋さんが目の端に入りました。
こんな時間のない時に何を思ったか、わたしは本屋に吸いこまれ、
まるでそこにあるのを知っていたかのように、ぱっと一冊の本を手に取り、
急いで会計をし、本屋を出て、何事もなかったかのように、また小走りしました。

この間、およそ1分くらい。
自分でも理解に苦しむ異様な行動でした。

しかしこの本が、この後の旅の重要なガイドとなろうとは、
夢にも思わなかったことです。

周遊バスを見つけて乗り込むも、NONと言われ、運転手が指差す方向に
街に下りるバスがありました。
行先も見ずに乗ったバスは、マルセイユ駅には行かない。
見知らぬ街のどこかで降りるしかないけれど、
下車したところで、フランスは流しのタクシーはない。

時間までに駅に戻り、予定通り目的地に行けるだろうか?
だんだん心配になってきたわたしの頭に、あの声が響きました。


     あなたは見るべきものを見る。
     行くのではなく、導かれる。


そうだ。
行くのではなく、導かれる。

あの声が、いつの間にか自分の声になっていました。






* ~ * Fin * Chaptre 6 * ~*






img08476-2LL.jpg img08476-1マリアLL
旅の思い出*ポストカードとサン・ヴィクトール修道院のシャンドールの本







テーマ:旅行記 - ジャンル:旅行

2015.08.22 | マリア巡礼

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プロフィール

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Author:mariaikuko
青山マリアいく子の
「祈りとアートの巡礼記」にご訪問下さりありがとうございます。
導かれるような旅の不思議について書きたいと思いました。
旅で出会った出来事、美しいもの、心の目が見たものを綴っています。
皆さまの旅も、実り豊かなもので
ありますように。

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