ロカマドールの黒マリア(4)巡礼路

ロカマドール 第4話 - 巡礼路 -

第3話 - 黒い聖母 - からの続き)



朝陽に照らし出されたロカマドールの街が美しいと聞きました。
ロカマドールから、北東に2Km離れたHospitalet オスピタレの丘から
見下ろす街が絶景のようです。

黄金色に輝くロカマドールを見るために、わたしたちは早朝5時に起き、
まだ眠っている街を歩きました。


明け1450
Le 10 Juillet 2010* Le Chemin de la pèlerinage * by Photos by RESONANCE


薄ぼんやりとした岩山の聖都を背に、街を離れてゆきました。
人っ子ひとりいない路地。
鳥も猫も鳴かない。
息をひそめる街に、足音も消えゆく石畳を ひたひたと歩きました。


明けS2


空には、ほっそりとした三日月。


明けS3


暁の星も輝いていました。

暁の星(あけのほし)は、夜明けの金星のこと。
宵の明星(よいのみょうじょう)も、夕暮れの金星のこと。
どちらもマリアさまに捧げられた呼称なのだと。

子供のころ、よく母から聞かされました。


明けの明星450


三日月と金星。

マリア巡礼で、これ以上のシチュエーションがあろうかと思うほど。
美しい夜明けに感動しながら、朝露にぬれた路地を歩きました。


町

遠景1



辿りついたオスピタレの丘。
ロカマドールが一望できました。
早すぎたのか、黄金色に輝く姿は見られませんでしたが、
朝もやのベールに包まれた聖都は、また格別でした。

ここでしばらくの間休憩して、帰りは違う道を下りました。

中世の門が見えてきて、
門の横には聖ヨハネ病院の跡がありました。
巡礼の途中で病気になった人々を受け入れた施設が、後に病院になったものです。

聖ヨハネ(Saint-Jean サン・ジャン)は、洗礼者ヨハネのこと。
テンプル騎士団の衰退後、ヨハネ騎士団・マルタ騎士団がフランスに根付きました。
この病院はヨハネ修道会の救護所だったのでしょうか?

Hospitalet オスピタレは、フランス語 のオスピタル Hospital =病院。
この丘の一帯は、療養所や保養地だったのかもしれません。

そういえば、ロカマドールの聖都にある7つの教会の中に、
洗礼者ヨハネの礼拝堂もありました。

15世紀にValon ヴァロン家(おそらく貴族)によって奉献された礼拝堂には、
聖ヨハネ修道会騎士、Jehan de Valon ジャン・ド・ヴァロンの棺が収められています。


巡礼路1


わたしたちは、偶然、素敵な道に来たようです!

まさにこの門がロカマドールへの入り口、
この道こそ、正真正銘サンチャゴ デ コンポステラの巡礼路でした。
サンチャゴ巡礼は、フランスからスペインの西の果て、聖ヤコブ大聖堂までを歩く巡礼です。

聖ヤコブはフランス語でSaint-Jacque サン・ジャックといい、
サン・ジャックはホタテ貝の意味でもあります。
巡礼者は杖にホタテ貝の貝殻をぶら下げて歩き、
巡礼路は、ホタテ貝のマークが目印になっています。

この下り坂に、たくさんホタテ貝マークを見つけました。
ロカマドールがサンチャゴ巡礼の中継地点だということも、
この道の存在も、まったく知りませんでした。
わたしたちは得した気分になって、意気揚々と巡礼路を歩きました。

   さあ、歩きましょう!

魂が喜びの声をあげるようでした。


巡礼路3

巡礼路4

巡礼路5


水路があって、趣のある古い巡礼路。
途中、イチジクやローズマリーの花々が香り、ちいさな巡礼宿もありました。
遠くに聖都が見えてきた時、いにしえの巡礼者はどんなに感激したことでしょう。
二差路の間に十字架があり、ここから聖域であることを知らせていました。


IMG_0899_400.jpg


坂を下りきると、ちょうどその時、朝陽が聖都を照らし出しました。
街の灯はひとつずつ消えてゆき、息をひそめていた聖都に活気が戻っていました。

ホテルに戻ったのは7時30分ころ。約2時間半の散歩でした。
朝のすがすがしい空気を吸って、心もすっかり洗われたようでした。


ホテルと気球


朝食をとったテラスから、気球が空中をゆっくり移動するのを見ました。

わたしたちも気球のようだ、と思いました。
旅という非日常的な空間を漂っているのです。


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この日の午前中、一泊だけのロカマドールを離れ、
次の目的地、Moissacへ移動します。

ロカマドールでの滞在時間は、およそ19時間。
その間3度も大階段を登り、黒マリアさまに会い、
夜は名物のフォアグラをいただき、早朝に巡礼路を歩く。
たったこれだけですが、達成感でいっぱいでした。

チェックアウトを済ませ、ホテルの外で迎えの車を待ちました。


DSC00140_400-2.jpg


ふと、見上げると・・・!
このホテルは、あの聖ヨハネ修道会騎士、Jehan de Valonの宿でした!

聖都に一番地近い三ツ星とう理由だけで選んだのに、由緒ある宿だったとは。
可愛いいロゴだなぁ、と、撮ったホテルのプレートをまじまじ見て、
旅から戻った後に知りました。


DSC00181_250.jpg
1440-1516
Ancien Hôtel de Commandeur   旧司令官宿
Jehan de Valon  ジャン・ド・ヴァロン
Chevalier de Malte マルタの騎士



秘密は後から明かされる -  と いいます。


   あなたに奇跡をあたえる


礼拝堂での、あの黒マリアさまの声が、また聞こえてくるようでした。



朝日のロカマドールiku







* ~ * Fin ~* Chaptre: 4 * ~*



土産
IMG_4340.jpg
*旅の思い出 - 黒マリアさまのメダイとポストカードたち






テーマ:旅行記 - ジャンル:旅行

2015.08.14 | マリア巡礼

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プロフィール

mariaikuko

Author:mariaikuko
青山マリアいく子の
「祈りとアートの巡礼記」にご訪問下さりありがとうございます。
導かれるような旅の不思議について書きたいと思いました。
旅で出会った出来事、美しいもの、心の目が見たものを綴っています。
皆さまの旅も、実り豊かなもので
ありますように。

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