【01-1】ルルドの奇跡のマリア - prologue - Lourdes 

プロローグオビ左寄せ


今日、2012年8月15日から「祈りとアートの巡礼記」を書き始めました。

今日はお盆休みでご実家に帰省して過ごす方も多いでしょうね。
ご先祖様や先に旅立った家族、恩師、友人たちへ想いを馳せる一日です。

私の父が他界してから十数年経ち、もし父との別れを経験しなければ、
私はマリア巡礼に出ることはなかっただろう・・・。
そんなことを思い出しました。

そして今日は、破昇天のマリア様の祭日でもありますから、
巡礼記をスタートさせるのにふさわしい日!

いつか書こうと思いつつ、なかなか書けなかった巡礼記。
ようやく産声をあげました。

ルルドの聖母像

不思議な夢から旅は始まりました。
父から淡いコーラルピンクのバラの花束が、私の胸にドサッと届けられました。
その重みに驚いて、飛び起きたくらいリアルな夢でした。

数日後、また夢を見ました。
今度は、王冠をかぶり、ブルーの帯をしたマリア様の夢でした。
後で調べると、ルルドの聖母像であると分かりました。

また数日後、今度は夢ではなく、
なんと、ルルドへの巡礼ツアーがあることを知ったのです!

これは、もう行くしかないでしょう・・・。

そんな偶然が重なって、1996年5月、ルルドへ、
母と姉と私の3人で行くことを決めたのです。

巡礼の始まりは、フランスのルルドから。
そして、新しい人生の始まりも、ここルルドが起点となりました。



帯マリア巡礼

ルルド(Lourdes)はフランス南西部、ミディ・ピレネー地方の小さな町。
スペインとの国境、ピレネー山脈の麓にあります。
聖母マリアのご出現と、難病を治すといわれるルルドの泉で世界的に有名な巡礼地です。

飛行機でタルブ・ルルド空港に降り立ち、そこからバスで市内に入りました。


ルルド・聖域

ルルドはまるで天国。
夢のよう。
平和そのものでした。


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ピレネー山脈を背後に、ガブ川の清流に沿って
ルルドのサンクチュアリ(聖域)があります。


ルルド入口

ホテル街になっている地域から橋を渡り、ここから聖域に入ります。


ルルド・アントレ

しばらくすると、聖母マリアに捧げられたロザリオのバジリカ大聖堂が見えてきて、
仰ぎ見るように参道が続いていました。
Basilique バジリカとは、教皇により由緒ある教会に与えられる称号。
ローマ・ビザンチン様式で、とても優美な聖堂です。


ルルド・水飲み場2

ルルド・水飲み場1

毎年、世界中から500万人近くの巡礼者たちがルルドにやってきます。
車椅子で運ばれる人、信者や病人で、町は溢れかえっていました。
たいへんな人の多さにも関らず、町中に穏やかさや慈愛が感じられるのは、
やはり、この町が持つホスピタリティでしょう。
みんなの目的は Grotte グロット、マサビエルの洞窟です。


ルルド2_edited-1
出典:Guide du visiteur et du pelerin

1858年2月11日、洞窟前で薪を集めていた14才の少女ベルナデッタ・スビルーの前に
突然聖母が現れ、その後、18回にわたり洞窟に出現したと言われます。
聖母は、洞窟の下を指し「泉へ行って水を飲み、顔を洗いなさい」と言い、
ベルナデッタが手で掘ったところから泉が湧き出ました。
やがて、泉の湧水が病気を治すという奇跡が何件も起こったと伝えられています。


ルルド・洞窟

大聖堂を通り過ぎた裏手に、マサビエルの洞窟があります。

聖母がベルナデッタに告げたといわれる名前、
”Que soy era Immaculada councepciou”
ケ・ソイ・エラ・インマクラダ・コンセプシウ
ルルド地方の方言で、「私は無原罪の宿りである」。

無原罪の御宿りのマリア像が、ご出現の岩間に鎮座していました。


ルルド洞窟前

洞窟の奥、キャンドルの灯の下に、泉があります。
この日は、洞窟前でミサが行われていて、一人ひとり順番に
奇跡の泉を拝観しました。


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聖母に捧げられた花束に囲まれて、泉がありました。
ガラスの覗き窓を通して、湧水が流れる様子を見ることができます。
本当に美しい祈りの場でした。


ルルド水飲み場

聖域の川沿いに蛇口が沢山あって、泉からの湧水を飲むことができます。
冷たくておいしかった!
聖域に入る前にお土産屋さんでポリ容器とガラス瓶を買い、
お水を汲んで日本に持ち帰りました。


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日が沈みかける頃、プロセッションと呼ばれるロウソク行列があり、
一人ひとり手にキャンドルを掲げ、世界中から集まった大勢の人たちと
Ave Ave Ave Maria!と歌いながら歩きました。
強烈な祈りのエネルギーと、足元の磁場と共鳴するような、
そのエネルギーの川が、空に立ち上っていくような・・。
ルルドの祈りは、永遠に続く川の流れのようでした。


ルルド教会前

ルルドを離れる最終日。
早朝の日が昇る前に、もう一度サンクチュアリを歩きました。
父を連れてきてあげたかった。
そんな声にならない声が、胸の奥で炸裂しました。


ルルド・ホテル前

母にとって、最愛の伴侶を亡くすということがどれだけ辛いことか。
姉は一人になった母を守るように、終始、母に付き添っていました。
私も姉も、本当はもっと泣きたかったのかも知れません。
けれど守るべき者の前では、人は強くなるものですね。


ルルド8

泊ったホテルは PARADIS.
2泊3日の短い滞在でしたが、ルルドは本当に天国のようなところでした。


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朝食を取り、ツアーのバスに乗り込みます。

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マリア像を買い求めたお店を通り過ぎ、

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ルルドで働く看護師さんと病院の前を通り、

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ルルド駅に到着。TGVに乗り、パリ・リヨン駅に向かいます。

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改札は車椅子が通れるように広く開かれ、ホームもフラットでした。
ユニバーサルデザインという概念が生まれる前から、
ずっとこの駅は病人のために開かれていたのですね。


ルルド・地図
出典:Guide du visiteur et du pelerin

地図でルルドの町を見ると、廻り込んだ川の内側に聖域があることがわかります。
氷河によって運搬され、うず高く積み上がった堆石が突然渓流をねじ曲げ、
この地形がつくられたそうです。
そんなダイナミックな地球のエネルギーで出来上がったルルドの地層とは
どんなものなのだろう。
この地層を縫って湧き出る水に治癒力はあるのか。


本

帰国して、父の書庫からこんな本が見つかり驚きました。
著者のアレクシー・カレル博士は、フランスの生理学者で外科医、
巡礼団の付き添い医師としてルルドに同行した際に目撃したことを
奇跡的治癒と科学的検証の間に立って記録した本でした。

医者でも宗教者でも信心深いわけでもない父がルルドに興味があったなんて、
母でさえ知らなかったことです。
ルルドへの旅は、天国の父からの贈物だったのかも知れません。


パリ・ルルド像

ルルド巡礼から日本に戻って一ヶ月後、
私は会社の派遣でパリに住むことになりました。
まるでフランスに呼び戻された気分でした。

パリのアパートの暖炉の上に、母が買ってくれたルルドのマリア像を置きました。

ある夜、また父の夢を見ました。
そして、初めて大声をあげて泣きました。
なんて私は父に愛されていたんだろう!
父がいなくなって、初めてそれに気づいたのです。

信じられないほどの悲しみが押し寄せてきました。
悲しみという感情表現を許したのは愛でした。

そうしてパリで暮らしながら、価値観と人生が少しずつ変わり始めました。
パリに暮らしていた間、ルルドに戻ることはありませんでしたが、
その後、次々とマリアの聖地へと導かれてゆきました。



    ~*~ Fin ~ chapter:1 Lourdes ~*~



Lourdos_scan2.jpg
ルルドの思い出。ロウソク行列の時のキャンドルホルダーと、ルルドの聖水。

テーマ:旅行記 - ジャンル:旅行

2012.08.15 | コメント(0) | マリア巡礼

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Author:mariaikuko
青山マリアいく子の
「祈りとアートの巡礼記」にご訪問下さりありがとうございます。
導かれるような旅の不思議について書きたいと思いました。
旅で出会った出来事、美しいもの、心の目が見たものを綴っています。
皆さまの旅も、実り豊かなもので
ありますように。

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