【10-3】シャルトル大聖堂 (2) - 美しき絵ガラスの聖母 -

シャルトル大聖堂 (2) - 美しき絵ガラスの聖母 -
Chapter9 - シャルトル大聖堂(1) - ラビリンス - からの続き


シャルトル大聖堂を訪れて感動しない人はいない。
壮麗なゴシック建築や宗教美術に興味のある人は、皆シャルトルの虜になります。
人々は、壮麗な建造物そのものと、それを創り出し、維持し続ける人間たちの情熱、
その双方に感動するのかもしれません。

人は何に情熱をかけるのか?
何に命を燃やして生きるのか?

何百年という時が経とうとも、シャルトル大聖堂の姿からは
そういう問いかけが聞こえてきそうです。


ステンド5
Le18 Juillet 2010*La cathédrale de Chartres*Photos by RESONANCE


シャルトル大聖堂を有名にしているものの一つにステンドグラスがあります。

聖堂の身廊の高さは37mととてつもなく高く、
身廊の幅16m、南北の幅32m 、東西の幅46m、
身廊の全長は130mもあります。
(*参考:wikipedia )

中央の大身廊の両脇に北側廊と南側廊があり、側廊は176枚もの
ステンドグラスでびっしり埋め尽くされています。
薔薇窓(La Rose)や先端が尖った縦長のランセット窓(Lancettes)など
光輝く華麗な窓はまるで宝石のよう。

わたしたちが聖堂に入ると、タイミングよくパイプオルガンが演奏され、
うっとり宝石箱の中に居るような夢心地でした。

「さまざまな宝石で飾られた聖都エルサレムの城壁」
ヨハネの黙示録に書かれた一節を思い起こさせるような荘厳な佇まいです。

とりわけ”シャルトル・ブルー”と呼ばれるステンドグラスの青は見事です。
深く鮮やかな色は、本物のサファイヤが使われているのではと思うほど!


ステンド2


ステンドグラスに描かれた登場人物の数は5000を超えるそうです。
キリストと聖母マリアの生涯、旧約・新約聖書の聖人や王家の人々、
ステンドグラス1枚ごとに、聖書の1ページをめくるようです。


ステンド1
LA ROSE NORD*Photo by RESONANCE


上の写真は、北側にある薔薇窓とランセット窓。望遠で撮りました。
ルイ9世の王母ブランシュ・ド・カスティーリャが1230年頃に
奉献した13世紀のステンドグラスです。

薔薇窓の中心にはキリストを抱いた聖母マリア、
その周りの放射状の12の円には4羽の鳩と8人の天使、
12の四角の中にはユダ国の12人の王、
一番外側の半円には12人の小預言者たちが描かれています。

その下の5枚のランセット窓が気になりました。
窓の中央にいるのは、幼子キリストと聖母マリア...と思ったら、
肌の色が黒い!
薔薇窓の中央のマリアは白い肌なのに、ランセットのマリアは黒いのでした。
こちらはマリアの母、聖アンナなのだそうです。
よく見ると女の子を抱いているので、マリアを抱く聖アンナでした。
でもね、どうして娘の肌は白く、母の肌は黒いのか?
いつから聖母マリアは色白に?
小さな違い、でも大きな意味を発見する時、思わずニヤリとなります(笑)

左から、聖杯を持つ司祭王メルキゼデク、10弦のハープを持つダビデ王、
聖アンナ、ダビデの息子ソロモン王、右端はユダヤの法衣を着た司祭長アロンと、
この窓はキリストはユダ国の王家の継承者であることを顕示する窓のようです。

ガラスの色使いにも意味があります。
青は王権を、赤は美徳と慈愛を、
赤い背景に黄色いお城は王国を指し示したそうです。


ガラス絵の聖母2
N.D. DE LA BELLE VERRIERE*Photo by RESONANCE


「美しき絵ガラスの聖母」は12世紀のもの。
聖堂内陣の周歩廊南側の初めにこのステンドグラスがあります。
幼な子キリストを膝に乗せ、冠を頂き玉座に座る聖母マリア。
聖母の頭上には聖霊の鳩、香炉を持った天使が描かれています。

慈悲を示す深い赤を背景に、輝くような青い衣をまとう聖母。
これぞシャルトル・ブルー!
深く鮮やかな色合いと透明感のある階調は見事です!

わたしはこのステンドグラスの前に立った時、
その美しい色に引き込まれてしまいました。


美しきガラス絵の聖母2


キリスト教世界では、青は天国の色として捉えられていたので、
聖母の衣の青は”天の女王”を意味していました。

シャルトル大聖堂は、”天の女王の地上の宮殿”と例えられます。

聖母に捧げられた教会の中でも、シャルトルは最も重要なマリア巡礼の拠点とされ、
多くの巡礼団や単独巡礼者を受け入れてきました。
聖母が羽織っていた”サンクタ・カミシア(聖衣)が所蔵されており、
1194年の大火災にも消失を免れたことから、聖衣を一目拝みたいという
巡礼者を惹きつけてきたのです。

聖母への愛と献身の証として、シャルトル・ブルーの極上の青が生まれたのでしょう。
青色のガラスを生み出す技術には並ならぬ情熱がかけられていたと想像します。


人は何に情熱をかけるのか?
何に命を燃やして生きるのか?

問いかけは、ひとつひとつのステンドグラスからも訴えかけてくるようです。

どこを探しても見当たらなかったステンドグラスが一枚.....。
ちょうど修復中で見れませんでした。
残念ですが、また次回に。

またシャルトル・ブルーに会いに行く。
これも小さな情熱ですね。

このあと聖堂を出て、わたしたちは地下のマリアさまに会いに行きました。

本当の旅の目的はここ。





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2017.08.15 | マリア巡礼

【10-2】シャルトル大聖堂 (1) - ラビリンス -

シャルトル大聖堂 (1) - ラビリンス -
Chapter9 - シャルトルへ - からの続き
http://maria11pilgrim.blog.fc2.com/blog-entry-28.html


フランスのCartres シャルトルは、聖母マリアの巡礼の町です。
シャルトル・ブルーと呼ばれるステンドグラスがあまりに有名な
中世ゴシック様式のノートル ダム大聖堂があります。
世界遺産にも登録されています。

パリ市内からとても近いので、日帰りで気軽に足を伸ばせます。
2010年7月18日、パリ・モンパルナス駅からイル・ド・フランス地方圏外を走る
普通列車、ter(テ・ウ・エール)に乗って約1時間でシャルトル駅に到着しました。


シャルトル駅
Le 18 Juillet 2010*La Cathedrale de Chartres*Photos by RESONANC


小さなシャルトル駅を出て、シャルトル大聖堂を目指して歩きます。
緩やかな坂道を登り、大きな広場に出ると大聖堂はすぐ目の前に。

大聖堂のシンボル、2本の尖塔は、電車からも見ることができます。
シャルトルまではボーズ平野の広大な麦畑が続くのですが、
車窓の向こう、一面の麦畑の中からポツンと大聖堂が姿を現わすのです。

陽光に輝く麦の穂の波間の向こうに2本の尖塔を目にする時、
どんな人も敬虔な気持ちになるのではないかと思います。


外観1


尖塔は左側の高いほうはゴシック様式、右側の低いほうはロマネスク様式です。
シャルトルの起源は伝説と史実が不明瞭な時代に遡るため、確かなことは
わかっていません。少なくともカロリング朝(751-986)の時代から聖母マリアに
捧げられた大聖堂であることは確かだそうです。
ヴァイキングの襲撃や大規模な火災などで聖堂は焼け落ち、1260年には
ほぼ再建されるも、フランス革命期には屈辱的な破壊に遭い、数えきれない程の再建、
修復を重ねて今日の姿となっています。


外観4


聖堂の周りはぐるりと聖人の像で埋め尽くされています。
聖人の胴体はひょろ長くディフォルメされ、繊細な表情を見せています。


日時計


時計や日時計も見つけました。


日時計2


いきなり聖堂内部に入るのも良いですが、時間のある時は
ぐるりと外観を見渡すと全体像が把握しやすいですね。


外観3


Portail Royal ロワイヤル・ポルターユ(王の門)と呼ばれる12世紀の正門から
聖堂に入りました。
写真では分かりませんが、中央柱の左側に「ユダ王国の女王」と呼ばれる彫像と
旧約聖書の人物の彫像があります。誰を表しているのか不明です。
キリストのご先祖さまかもしれません。


教会内


中に入ると聖堂正面のステンドグラスが目に飛び込みます。
そして、すぐに視線を床に向けると円形のラビリンス(迷路)があります。

円の直径は12.85m、内側の曲がりくねった路は261mと長く巨大です。
この日はミサがあり、椅子が並べられて床が隠れていたのと、
大きすぎてよく分かりませんでしたが・・・。


教会内部1


床に埋め込まれたラビリンスは、かつての巡礼者たちが立つか膝をついて
迷路を辿ったと言われます。

シャルトル大聖堂のラビリンスは貴重です。
現存する中世フランスのものとしては最も良い状態で残されているからです。
その他の聖堂のラビリンスは、キリスト教的意味を持っていたにも関わらず、
17,18世紀には理解されなくなり取り壊されてしまったのです。


ラビリンス4


ラビリンス=迷路。
入口があって、一本の長い迷路を苦労しながら歩き、最後には
目的地(出口)に出るというもの。
そういえば、どんな宗教的意味があるのでしょう?

購入したカタログによるとシャルトルのラビリンスは、
「エルサレムへの旅路」とされていたそうです。
辿りついた先に聖都エルサレムの扉が開かれるといいます。
でもここで言うエルサレムは都市ではなく天上の都市、つまり天国。
キリスト教的天国とは、永遠の命。
ラビリンスは永遠の命へと到達する人間の旅路を象徴しているのだそうです。
ちょっと難しいですね〜。


ラビリンス3


エントランスに置かれていたラビリンスの模型。
これでようやく形が分かりました〜。


ラビリンス2


大聖堂の裏にある庭園にもラビリンスがありました!
刈り込み具合と左右対象系が、いかにもフランス庭園らしい。


ラビリンス庭園


この後、憧れのシャルトル・ブルー(ステンドグラス)をゆっくり見学しました。


庭園前





* ~ * Chapter 10 Continuer 続く * ~*






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2017.08.14 | マリア巡礼

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Author:mariaikuko
青山マリアいく子の
「祈りとアートの巡礼記」にご訪問下さりありがとうございます。
導かれるような旅の不思議について書きたいと思いました。
旅で出会った出来事、美しいもの、心の目が見たものを綴っています。
皆さまの旅も、実り豊かなもので
ありますように。

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